皆さん、突然ですが、デッキ名ってどうやって決めてますか?どうやってデッキ名から内容を想像してますか?
名前なんてどうでもいいんだよ!って思う方もいると思うのですが、そういう細かいところについて考えるのが好きな人間なので、今回はアーキタイプとデッキ名に関して考えてみたいと思います。
1.アーキタイプって?
アーキタイプというのはデッキの動き・構造などコンセプトについてを指すことが多いようです。
R&Dによる分類
2012年の公式記事Zero to Sixty/ゼロからのデッキ構築とAh Yes. Very Standard./まさしくスタンダードだにおいて、6つのアーキタイプによる分類が示された。
- アグロ:最序盤から軽い脅威を展開し、速やかに対戦相手を倒す。
- ミッドレンジ:3~6マナ域の脅威を攻防に回して戦う。マナ加速を伴うこともある。
- ランプ:序盤はマナ加速を連打し、そこから少数の重い脅威を展開する。
- コンボ:特定のカードの組み合わせなど、変わった戦略で勝利を目指す。
- コントロール:対戦相手の脅威を妨害し続け、最後には少数の脅威でゲームを終わらせる。
- 撹乱的アグロ:脅威を展開し、それに対する除去と対戦相手の脅威を、カウンターなどで妨害しながら戦う。
3大アーキタイプ
過去には長い間、主にビートダウン・コントロール・コンボデッキの3タイプに分類されてきた。この分類にもそれぞれ得意な相手と苦手な相手が存在する。
MTGwikiのほうにはこのように書かれています。
つまり、MTGではアーキタイプは大きく分けて3つ(ビートダウン・コントロール・コンボ)、それをもう少し発展させると6つ(アグロ・ミッドレンジ・ランプ・コンボ・コントロール・攪乱的アグロ)というように分けられているようです。
HSの中では以下のように分けられるでしょうか。
味気ない図になってしまいましたが、HSの中に存在するデッキは大きく分けて
・ビートダウン
・コンボ/ランプ
・コントロール
の3種類になるかなと思います。
特にビートダウンは含む範囲が広いので、いくつかに分けてみました。
2.各アーキタイプの分類・解説
それぞれのアーキタイプの特徴を簡単にまとめると以下の表のようになります。*1
(少しだけ表の解説)
プレイスタイル→そのまま。攻撃的か、守備的かととってもいい
アドバンテージ
・ライフアドバンテージ→ヒーロー本体の体力に関するアドバンテージ。積極的に相手の体力を奪っていくデッキ(またはまったくその逆)はこれを重視していると言える。
・テンポアドバンテージ→マナコスト比で見るカードの効果に関するアドバンテージ。ややこしいので盤面の強さと言ってもいいかも。
・カードアドバンテージ→カード1枚当たりの価値に関するアドバンテージ。重量級のカードやAoEなんかはこの価値が高いと考えられる。
それでは、各タイプについてもう少し解説してみます。
2-1.ビートダウン
ビートダウン(Beatdown)は語源から考えると、「殴り倒す」です。
つまり、相手のヘルスを0にすることを勝ち筋としているデッキのことですね。*2
ゲームの性質上、かなり多くのデッキがこの分類になるので、さらにその中でもいくつかに分かれます。
2-1-1.アグロ
アグロ(Aggro)は、軽いマナ帯から積極的に攻めるデッキの総称と言えます。
1コストから毎ターンミニオンを召喚し、積極的に相手の顔面を殴ります。ただ、有利トレードはしてボードを確保していくことも考えます。
例)
・アグロパラディン
・アグロシャーマン
この中でもトレードはほぼせずに積極的に相手の顔面を狙うデッキを「フェイス(Face)」と分類分けできるでしょうか。
例)
・フェイスハンター
・フェイスウォリアー(海賊ウォリアー)
2-1-2.テンポ
前回の記事(テンポデッキの構造からみる現環境での苦戦 - moonyan’s blog)のネタですね。なので解説は雑に。
テンポ(Tempo)デッキはカードの組み合わせでテンポ・アドバンテージを得ることを重視したデッキと言えるでしょう。
デッキとしてはきれいなマナカーブを描くか、または軽いところが大きく盛り上がった形になります。
アグロとミッドの中間地点に位置づけていますが、分類分けがかなり難しいアーキタイプの一つだと思います。
例)
・テンポメイジ
・テンポウォリアー
2-1-3.ミッドレンジ
ミッドレンジ(Midrange)は中盤の展開を重視したデッキということができます。
ビートダウン系統の中では一番重いため、アグロほど再序盤からの動きを優先せず、3~6コストあたりにデッキの中核となるカードを採用し、単体のカードのバリューでゲームを作っていくのが主な特徴でしょうか。
例)
・ミッドレンジハンター
・ミッドレンジシャーマン
・ミッドレンジパラディン
2-2.コンボ/ランプ
2-2-1.コンボ
コンボ(Combo)デッキは、特定のカードの組み合わせで必殺、あるいは大きなアドバンテージをとってゲームの大勢を決定するようなコンボを勝ち筋としているデッキと言えるでしょう。
性質上コンボが成立しなければデッキとしては力不足なことが多く、コンボを起動できない間に倒されるアグロやコンボに返しがあるコントロールには不利なことが多いです。
例)
・グリムパトロンウォリアー(魔力の巨人を流血の戦士団で増やすタイプなどもある)
・鯛罪パラディン
・ミル系デッキ
2-2-2.ランプ
ランプ(Ramp)は、マナを加速して相手よりも大きなミニオンを早く出し、そのカードパワーでゲームを有利に進める、あるいは速やかに終わらせるデッキと言えます。
分類としてどこに入れるか迷ったのですが、マナを加速するという動きがカードをそろえてゲームを有利に進めるというコンボデッキに近しいものを感じたのと、本家(MTG)でも近しいデッキとも考えられるとの記述があったのでここに含めました。
このゲームの性質上、ドルイド以外にマナ加速をする手段はほぼないので、ドルイド専用のアーキタイプとなります。
例)
・ランプドルイド(精霊交信含む)
2-3.コントロール
コントロール(Control)は相手の妨害をすることでゲームの流れを低速化させ、相手が息切れしたところでこちらから強力なミニオンを出し、相手が対処できないままそのカードのパワーで勝とうというデッキです。
デッキ内の多くの枠は除去や体力回復のカードに割かれ、少数のフィニッシャーや<エリーズ・スターシーカー>が入ることが多いです。
例)
・コントロールウォリアー
・コントロールプリースト
3.デッキ名の見方
様々なデッキが世の中にはありますし、上記のアーキタイプとは違う名前がついているデッキもたくさんあります。そんなデッキ名には以下のようなつけ方があります。
3-1.アーキタイプからとってくる
例)
・フェイスハンター
・ミッドレンジシャーマン
・コントロールウォリアー
これはデッキ名からどういうデッキなのか、一目瞭然ですね。
上記のアーキタイプのような動きをしますよ、ということがわかります。
3-2.デッキのコンセプトとなるカードからとってくる
例)
・レノロック
・シークレットパラディン
・ヤシャバーンズハンター
・精霊交信ドルイド
・クトゥーンウォリアー
これはデッキの特徴となるカードをデッキ名に入れた形です。
デッキ名を見るとどういったカードを使うのかわかりますが、反面上のアーキタイプではどれに当たるのかわかりにくいことも多々あります。*4
3-3.デッキの特徴的な種族・動きからとってくる
例)
・ビーストドルイド
・ビーストハンター
・マーロックパラディン
・海賊ウォリアー
・フリーズメイジ
これはデッキ内のメインとなる種族(シナジーがあることが多い)や動きをデッキ名に入れた形です。
2.と同じように、どういうデッキかはわかりますがアーキタイプ的動きはわかりにくくなります。
3-4.別のTCGで成立したデッキからとってくる
例)
・Zoo(→MTG/Zooより)
・ミラクルローグ(→MTG/Miracle Growより)
MTGから輸入されているもの以外はちょっと知らないのでこのあたりを。
別のゲームで成立したデッキに端を発するものはその名前を輸入することもあるようです。
これは元ネタを知らないとデッキとしてはわかりにくいですが、ある意味由緒正しいデッキと言えるのかもしれません。
3-5.組み合わせてつける
例)
・ン=ゾスコントロールウォリアー
・翡翠ミッドレンジシャーマン
・ドラゴンテンポウォリアー
アーキタイプ+デッキの特徴カードなどといった名前のつけ方をされているものもあります。
また、ここではアーキタイプ名部分が「元のデッキと比較して」といったニュアンスを含む形で使われていることもあるのが特徴でしょうか。
例)
・アグロフリーズメイジ
・ミッドレンジデーモンZoo*5
4.まとめ
以上のように、デッキには大きく分けるアーキタイプという概念と、それを踏まえて名前を付けていることが多くあります。
自分でオリジナルデッキを作ったときにどんな名前を付けるか、また見慣れない名前のデッキを見たときにどんなデッキなのかというのを想像するときなどに活用していただければと思います。
また、これまで書いた内容は人によって考え方が違うことも多く、全然考え方が違うんだけどという意見もあると思います。これはあくまでも僕なりの考えということで一つの考えとしてとっていただけたらと思います。
かなり自己満足の記事になってしまいましたが結構楽しんで書けました。最後まで読んでいただきありがとうございます。